増資するということは?

不況時になると企業は増資をすることが多くなる。簡単に言うと、どっかからお金を引っ張ってくる。特に銀行や証券会社の場合は、相当たくさんの金額を調達することになる。なぜなら、彼らはお金からお金を生み出すことをしているので、お金がなければ商売が成り立たないからだ。
 
 では、企業はどこからお金をもってくるのだろうか。まず考えられるのは銀行から借りることです。ここではあまり問題にしない借り入れです。次の、株式市場からお金を借りてくるのがここでの問題となります。
 
 株式市場からお金を持ってくるというのはどういうことでしょうか。それは、新しく株式を発行するということです。株券を新しく発行すれば、その売却代金が自分の会社に入り会社の資本を強化することが出来るのです。売りたい人がいて、買いたい人がいる。それで成り立つなら問題ないではないか。と思う人も多いと思います。しかし、新しい株式を発行することに対してよく思わない人もいます。
 
 それは、既存の株主たちです。なぜかというと、株式の価値の希薄化がおきるからです。
 

 株は美人投票みたいなもので、人気がある株ほど価値があります。みんな価値がある株を手に入れたがるから値段が上がるのです。しかし、増資によって株の量が増えてしまうとみんな手に入れることが出来るようになってしまいます。だから、株の価値が希薄化されてしまうのです。
 
 価値が希薄になれば、もちろん値段が下がります。現在(2009年11月)不景気により株式市場が冷え込んでいます。その状態を脱しようとたくさんの企業が増資を行いますが、それが株式市場の冷え込みに拍車をかけているようです。つぶれてしまったら意味がないので増資もしょうがないのですけどね。。。
 
 多分これを見る人は、新しく発行する株式を高い値段にしたら株式の価値の希薄化がなくなるのでは?と思う人がいるでしょう。しかし、それは無理なのです。
 
 もし流通している株よりも高い値段で発行したら買う人はいません。しかも企業はお金が欲しいわけです。だから、既存の株価よりも安い値段で発行。そして、株価の希薄化が起こるわけです。

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